製作事例

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10種類の凹凸を持つ電極をマシニング加工で製作

10種類の凹凸を持つ電極をマシニング加工で製作した事例

型彫り放電加工で使用する電極を、マシニング加工によって製作しました。型彫り放電加工とは、立体物の3D・凹凸部分を電極の転写によって加工するもので、部品の角の丸みを最小限に抑えることができます。電極の製作にあたって、どのような設計・加工の工夫を行ったのかをご紹介します。

ご依頼の背景

ご依頼いただいた製品の加工・組み立ては、当初、別の企業が行っていました。しかし、受注量の増加に伴い協力先を探しておられました。「精密な加工は大東技研が得意」と当社の名前が上がったことから、ご依頼いただくことになりました。
今回製作した電極は、放電加工機によって製品を加工する際に用いる工具です。電極には、マシニング加工で繊細な加工を施し、10箇所の凹凸を作っています。

設計のポイント

設計・加工ポイントは下記3点です。

1. 工具の本数、組み合わせの工夫

マシニング加工を行う機械には40本の工具をセットできますが、工具の本数が増えるほどコストや準備時間がかかります。また、機械に工具が全部セットできず分割して加工を行う場合や、工具の切り替えにより加工面に段差が生じる恐れもあります。
そのため、使用する工具の本数をどれだけ減らせるかを考えることが求められました。工具の組み合わせによって、加工時間に10倍ほどの差が生じることもあります。「この加工にはこの要素があるから、別の部分と同じ工具で対応できる」といった検討を積み重ね、最適な組み合わせを導き出していきます。
ただ、単純に工具を減らすわけにはいかず、大きい加工には大きい工具、小さい加工は小さい工具を用いないと、結果的に加工時間が伸びてしまいます。加工時間と、加工箇所に適した工具のバランスを取りながら、使用する工具の組み合わせを工夫しました。

2. 加工精度と加工時間のバランスに合わせた工具選定

型彫り放電加工は、電極が転写される仕組みになっています。そのため、電極の面を高精度に加工しておくことが、最終的に出来上がる製品の面を美しく高品質に仕上げることにつながります。
小さな工具を使用して、電極に繊細な加工を行うと高精度になります。一方、工具が小さくなるほど1度に削れる量は少なく加工には時間がかかります。加工時間が伸びれば機械が熱を持ち、加工精度へ影響が出る場合があります。
これまで培った経験と技術をもとに、加工精度と加工時間のバランスを取りながら、工具を選定しました。

3. 加工条件に適した工程設計

プログラムした手順で機械加工を行いますが、実際の工程では、工具の摩耗や、機械・材料の熱膨張に気を配っておくことも大切です。今回の部品でも、一度の加工でどの程度切り込むか、どういった手順で加工するかを吟味しながら製作を進めました。
加えて、どのタイミングでどこを加工するかというプログラムの検討も重要になります。「この箇所は同時に加工したほうが良い」など、最適なタイミングを細かく調整し、各工程を設計しながら加工を進めました。

当社の技術担当者からのコメント

これまでも電極は何度も製作してきましたが、今回のように10種類の凹凸を持つ複雑な電極の加工は初めてでした。「細くなるところは、こう工夫しよう」などと考え、レベルの高い加工に挑みました。技術者として、出来上がるまでのプロセスに新鮮さやおもしろさを感じながら、お客様の期待に応えるための部品を完成させることができました。

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